Q&A(補足説明)
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Q1.廃棄物排出事業者にはどのような責任がありますか。 A1.「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)では、「事業者は、その事業に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」と規定されています。医療関係機関等は本法律の事業者に該当します。
<補足>
医療関係機関等は、医療行為等によって生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。
(注)用語の解説
*「一般廃棄物」とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいう。主に家庭から発生する家庭ごみとオフィスや飲食店などから発生する事業系ごみ及びし尿に分類される。 *「特別管理一般廃棄物」とは、一般廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいう。ポリ塩化ビフェニール(PCB)を使用した家電等の部品、焼却炉から発生したばいじん、感染性廃棄物が該当する。 *「特別管理産業廃棄物」とは、産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいい、52種類の廃棄物(感染性廃棄物を含む)が定められている。これら及び「特別管理一般廃棄物」は収集から処分までのすべての過程において厳重な管理が必要である。 また、「廃棄物処理法」の改正により、廃棄物排出事業者は廃棄物処理業者が最終処分(埋立処分)まで適正な処理を行ったことを確認することが義務づけられるとともに、マニフェスト(廃棄物管理票)に係る義務に違反した者への罰則が強化されました。排出事業者は廃棄物処理業者が適正に処理・処分したかの確認を怠ったり、確認義務を果たしても結果的に廃棄物が不法投棄された場合、処理の費用が極端に安く不法投棄の可能性がありながら処理を委託していたケース等、状況によっては排出事業者が原状回復の責任を連帯して負うことになります。したがって、信頼できる廃棄物処理業者を選定することや廃棄物が適正に処理・処分されているかを確認することが重要です。 自らが排出した廃棄物が正しく処理・処分されていることを確認するには、廃棄物処理業者に同行し、自らが排出した廃棄物が正しく処理・処分されている状況を写真や記録として残しておくことが適切です。 なお、廃棄物に関する法律等や行政の動向は環境省などのホームページで確認できます。環境省のホームページ http://www.env.go.jp/ Q2.医薬品の容器包装の識別表示、材質表示はなぜなされているのですか。またどのようなルールに基づいているのですか。 A2.一般消費者に販売する製品(医薬品を含む全ての製品)の容器包装について、分別回収やリサイクルをしやすくするため、2001年4月に「資源の有効な利用の促進に関する法律」(「資源有効利用促進法」)が一部改正され、製品の容器包装へ分別区分の識別表示(「紙」マーク及び「プラ」マークの表示)をすることが義務づけられました。 医薬品の容器包装への識別表示については、日本製薬団体連合会(日薬連)で医薬品業界統一の「医薬品等の容器包装の識別表示ガイドライン」を策定し、各医薬品メーカーはこのガイドラインに基づき識別表示を行うことになっています。 なお、「プラスチック製容器包装」や「その他の素材」の材質表示(例えば、プラスチックの場合、PE、PP、PETなど材質を表示するもの)については、法律上は義務づけられていません。各医薬品メーカーが自主的に材質表示を行う場合は、このガイドラインに基づき実施することになります。 <補足>
なお、容器包装への識別表示は、紙製容器包装及びプラスチック製容器包装にそれぞれ「紙」マーク及び「プラ」マークを表示します。PTPシート等の複合素材からなる容器包装については、容器包装を構成する素材のうち最も重いものに分類され、紙、プラスチック以外の素材を含む場合は、その重量比により識別表示の対象又は対象外になります。また、素材上、構造上その他のやむを得ない理由により識別表示が不可能な容器包装については、直接の表示は省略し、他の容器包装へ表示されます。 「プラスチック製容器包装」や「その他の素材」への材質表示については、医薬品メーカー各社の自主的な取り組みに任されています。今後、医療機関等で材質表示が活用され、材質毎の分別回収やリサイクルの促進、廃棄物の適正処理に繋がることが期待されます。プラスチックの表記方法は、文字又はJIS K6899-12000(ISO 1043-11997)で定められている記号で行われます。下表に樹脂の略号を例示します。 容器包装への識別表示に関する詳しい説明が、(財)日本容器包装リサイクル協会のホームページに掲載されていますので、詳しく知りたい方はご参照ください。
表 プラスチックの表記記号例[JIS K6899-12000(ISO 1043-11997)]
Q3.可燃ゴミ及び不燃ゴミの分別はどのようにすればよいでしょうか。
A3.一般廃棄物は各市町村が収集運搬、処理・処分を行いますが、焼却できるか否かにより、可燃ゴミと不燃ゴミに分けて分別収集されています。 可燃ゴミ、不燃ゴミの分別のしかたは、医療関係機関所在地の市町村の清掃事務所でご確認ください。 <補足>
Q4.リサイクルはどのようにすればよいでしょうか。 A4.医薬品の容器包装を素材としてリサイクル(マテリアルリサイクル)するためには、医薬品が付着していない容器包装を材質毎(紙の質毎、プラスチックの材質毎)に分別回収し、廃棄物処理業者(リサイクル業者)にリサイクルを委託する必要があります。 <補足>
医療関係機関等から排出される廃棄物のうち、「空き缶・空きビン・PETボトル」、「ダンボール類・紙類・新聞雑誌」、「電池・蛍光灯」等は既に多くの機関でリサイクルされています。今後は、「医薬品の包装箱・添付文書類:紙」や「プラスチック製容器包装:プラスチック類」のリサイクルが望まれます。 しかし、「プラスチック製容器包装」は素材の種類が多く、素材毎に分別回収するのは困難ですし、しかも医薬品等が付着しているものも多く、マテリアルリサイクルするには洗浄が必要となりますので、手間がかかります。したがって、「プラスチック製容器包装」をマテリアルリサイクルするのは現実的ではありません。このようなプラスチック類は一括して回収し、燃料としてリサイクル(サーマルリサイクル)するのが望ましいと考えられます。ポリ塩化ビニル(PVC)やポリ塩化ビニリデン(PVDC)のような塩素を含むプラスチックが混在しないよう求められるケースもありますので、分別の程度については廃棄物処理業者にご相談ください。 なお、資源ゴミは有価物ですが、現在は市場価格が安く、収集運搬費用の方が高くなり、リサイクルするにはいくらかの費用発生を伴うことが多くなります。 Q5.「手引き」では、医薬品の付着の有無で容器包装の処理方法が異なっていますが、付着の有無はどのように判断するのが妥当でしょうか。 A5.ここで取り扱う容器包装は、産業廃棄物ですので、厳密に医薬品付着の有無を確認する必要はないと思われます。しかし、手引きに記載している程度の注意はすべきです。特に、抗悪性腫瘍剤のようなケミカルハザードについては、直接容器は医薬品が付着しているものとすべきですし、注射剤、液剤、軟膏剤などのように明らかに医薬品が付着しているものは当然廃医薬品と同様に処理すべきです。 Q6.「手引き」では、容器包装に付着した医薬品はできるだけ除去するとありますが、現実にいちいち除去することは手間もかかり困難です。また、極端な例ではありますが、生理食塩液やブドウ糖液でも洗浄した上で廃棄することになるのでしょうか。除去する、しないの線引きが難しいです。 A6.廃棄物をリサイクルにまわす場合、廃棄物(費用要)を減らして資源化(利益)にまわすものですからそれなりに手間が必要になってきます。リサイクルにまわす場合は、洗浄基準等をお作りになって、それに合致したものはリサイクルにまわし、基準に合致しないものは廃棄処理されるべきです。リサイクル業者に相談されるとよいと思われます。 極端な例としてあげられている生理食塩液やブドウ糖液のような作用の緩和な医薬品の容器は、軽く水洗すればリサイクルにまわすことも可能と思われます。また、比較的作用の緩和な錠剤やカプセル剤のような固形製剤のバラ包装容器などは中身を完全に出せば、医薬品の付着なしとしてリサイクルにまわすことも可能と思われます。当然のことながら、リサイクルにまわさない場合(焼却にまわす場合)は、除去する必要はありません。 Q7.「手引き」では、医薬品の廃棄処理方法については今後さらに検討する必要があるとのことですが、現在考えられる最も好ましい方法は何でしょうか。 A7.廃医薬品や医薬品が付着した容器包装は、焼却処理するのが最適と考えています。 Q8.細胞毒性などケミカルハザードのあるものは当然除去せずに廃棄することになりますが、「焼却処理」に出すとき、どのような点に注意すべきでしょうか。 A8.抗悪性腫瘍剤などのようなケミカルハザードについては、他の一般的な焼却物とは廃棄場所を区分し、「ケミカルハザード専用」等の表示をした廃棄ボックスに廃棄し、廃棄物処理業者に出す時には、その危険性を十分に通知する必要があります。 Q9.病院等で所有する焼却施設は「焼却施設の構造基準及び維持基準」に適合するものがなかなかないようです。このような場合、これらの廃医薬品も感染性廃棄物と同様にハザードボックスに捨て、専門業者に廃棄処理を依託することになるでしょうか。 A9.焼却する場合は、当然のことながら、「廃棄物処理法」に係わる「焼却施設の構造基準及び維持基準」に適合した焼却施設で行うべきです。医療機関等で現在所有されている焼却炉でこの基準に適合しない場合は、ダイオキシン類発生の懸念があり、2002年12月以降は使用できなくなっています。 外部業者に焼却処理を委託する場合にも、焼却炉が上述の基準に適合していることを確認した上で、委託することが重要です。また、近年、廃棄物の不法投棄が各地で発生していますが、廃棄物業者を選択する場合、廃棄物中間処理業者、収集運搬業者、最終処分業者は信頼できる業者を選ぶ必要があります。 Q10.抗悪性腫瘍剤(取り扱い注意ランクABC)、ワクチン等生物学的製剤、BSE発症のリスクを完全に否定できないもの、遺伝子組み換え技術を用いたリコンビナント製剤などの使用後の空容器の廃棄が特に問題になっています。現在、これらの廃棄に関して法的な基準はないようですが、どのように処分すべきでしょうか。 A10.抗悪性腫瘍剤のようなケミカルハザードや法律に則った対応が必要な麻薬・向精神薬等は適正な取扱い、廃棄処理が必要ですが、その他の廃医薬品の分別については細かく分別する必要はなく、一括して回収し、焼却にまわせばよいと思われます。しかし、廃棄物業者の作業性なども考慮する必要があると思われますので、廃棄物業者と相談されることをお奨めします。 以上
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社団法人 日本病院薬剤師会
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2丁目12番15号 日本薬学会 長井記念館8階
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